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緊急報告(317日現在)

東京電力福島第一原子力発電所で4機の原発が次々と大破損した

大量の放射能が、今も放出されている
 

 311日の東北関東で起きた大地震・大津波で被災された方々に、心からお見舞 申し上げます。
さらに、福島原子力発電事故により被ばくされている状況には言葉もありません。
首都圏の大量消費地電気のための原発が引き起こした事態です。 現地の方々に地震、津波、に加えて被ばくを負わせられることに心が痛みます。

 2011
3111446分 日本宮城県沖(三陸沖)を震源とするマグニチュード9.0の大地震が発生した。この地震によって福島原子力発電事故がおきた。
福島県沿岸の福島第一原子力発電所(東京電力会社所有)は、6基の沸騰水型原発(BWR)が設置され、123号機が運転中であった。(3号機はMOX燃料によるプルサーマル・つまりプルトニウムウラン混合燃料で運転中であった)
 
残る456号機は定期検査のため停止中であった。なお、10キロメートル南の福島第二原子力発電所は4基の原発(BWR)が運転中であった。この敷地も地震と津波が襲った。
 
第一原子力発電所の施設の非常用発電関係の施設が破壊された。運転中の1,2,3号機は地震を受けて制御棒が挿入され核反応は停止されたが、核燃料の熱を冷却する外部電源は停止し、このような場合に機能する非常用冷却水ポンプは津波のためわずかにしか残っていなかった。
つまり、外部の電源が喪失し、非常用電源は大部分が失われた。時間が経過するとともに冷却能力は低下し、約9時間後に1号機格納容器圧力が上昇し、18時 間後に格納容器開放、25時間後の121536分に原子炉建屋で水蒸気爆発、建屋の壁が崩壊した。3号機も1号機と同様の経過をたどり68時間後の 141101分に原子炉建屋で水素爆発を起こした。
 
ドミノ崩壊は2号機へと続いた。2号機では格納容器が損傷し放射能の地上放出も始まった。そして、停止中であった4号機の使用済み燃料の冷却機能も失われ、水と燃料被覆材のジルコニウム反応がおこり水素の発生、火災が起こった。最早このドミノはとどまるところを知らない。地震直後は楽観視していた電力会社、政府の監督庁原子力保安院、政府担当者らは取るべき対策が後手、後手となった。
 17日、ヘリコプターによる投水がわずかに行われたが上空の放射能レベルが高く継続できない。放水車による水投入も地上放射能レベルが高いため近づくことができず失敗している。さらに、5,6号機の使用済み燃料プールの水温は通常は40度以下に保たれているが、ここの水温も上がり始めて60度を超えてきている。
危機は続いている。

 

追加

 4号機は昨年(2010年)11月29日に定期検査に入ったばかりである。原子炉が停止されてから3〜4ケ月しか経過していないため、使用済み燃料プールに収納されていた核燃料は約4000kWの発熱を行っていた。当然このプール水は冷却をおこなっていたのであるが、震災で外部電源が失われ、非常用電源も大部分失われ冷却が行われていなかったと思われる。144時ごろ使用済み燃料プールの水温が上昇した。水位は低下し燃料の鞘に使われているジルコニウム金属と水(あるいは水蒸気)が化学反応し水素が大量発生したと思われる。15日に4号機は大火災、16日もさらに火災が起こり原子炉建屋は崩壊した。そして破壊した核燃料から大量の放射能が放出されている。

 

 

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