測定結果 その2を掲載しました。
前回掲載した測定結果の表では茶、きのこ類、米、牛乳、卵、ドクダミについて掲載しました。今回は洋梨、夏みかん、ゆず、れんこん、種無し巨峰、りんごなど福島第一原発事故由来の放射性セシウムが検出されたものと野菜、豆など検出されなかった食品について掲載しました。食品以外の環境物では枯れ草、土壌など、草木灰、家庭掃除機ホコリ、キノコ菌床、とうもろこし外皮を掲載しました。枯れ草、土壌では高い値を検出しました。
微量放射能測定装置 FNF-401 (応用光研工業株式会社OKEN製)
NaI(Tl)シンチレーション検出器 Φ 3インチ×3インチ 遮蔽 鉛5cm
パルスハイト・アナライザー(pulse height analyzer,PHA)を使ってスペクトルを解析
検出結果、Cs134とCs137の比率が合わない時は、当研究所で、測定時の比率を算出して再計算
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2012年11月18日、飯舘村放射能研究会主催で行われた福島シンポジウム「福島原発事故が飯舘村にもたらしたもの〜村民、支援者、ジャーナリスト、研究者の視点から〜」において講演された今中哲二氏の講演録を同氏の許可を得て起こしました。
「実際に調査すると、村全体が高濃度で汚染されていた事実や、調査で土壌中の放射線量率の時間変化がわかるとの説明や専門家であれば、先々積み上がっていく線量も計算可能であったはずなのに、、、。」など重要な指摘がなされています。
福島原発事故が飯舘村にもたらしたもの 今中哲二 講演より
今中です。よろしくお願いします。私の話は飯舘村放射能汚染調査の報告と言うタイトルになっています。私は、小澤(飯舘村後方支援グループ)さん、菅井(国学院大)さんたちと、去年(2011年)の3月28日、29日と、この飯舘村に調査に行きまして、それからだいたい一年半ぐらい放射能汚染の調査を継続しております。また最近、環境省に研究計画を申請して、それが採択されましたので、その報告もしておきます。
私の報告の内容ですが、大量の放射能が飯舘村なり福島のほうへ流れて行ったときの最初の被曝量、飯舘村の皆さんが最初にどれくらい被爆したのか、実は誰もきちんと調査してないんですよね。私の報告ではまずこの問題を明らかにしておきます。
私は国のお役人とか、国の御用をしている先生方を知ってますから、その方々に「初期被曝評価のことを一体誰が責任持ってやるねん」、ということを何度も聞いたんですけれども、それがよう解からん、ていう返事でした。「そんなアホな」って。それでよく聞くと、どうも福島県の県民健康管理調査でやっているらしい。後でもちょっと話しますけれども。あれじゃちょっとダメだと、言っているうちに、何か知らないけれども、WHOが初期被曝のレポートを発表しました。結局、日本でやらずにWHOとか国連(UNSCEAR)にやってもらうのって、何かみっともない話だなぁと思っています。
去年(2011年)の3月28、29の日、わたし、小沢さん、菅井さんらと、何で飯舘村の調査をすることになったかなんですが、それについては、私のレジュメの最初の方に経緯を書いておきました。
福島事故が起きて、私には、たぶん皆さんも、驚いたことがたくさんありました。
驚いたことの一つは、データが全然出てこない。だいたい10日から2週間ぐらい放射能汚染データがでてこなかったことです。出てきたデータは、福島第一原発の発電所の敷地境界のデータだけです。東京電力が測った・・。3月12日にはまわり20キロに避難指示が出ています。そして15日は30キロ(圏内)は自宅待機とか避難。だけども、汚染データが出てこない。「一体、どないなっとんねん」と思っていました。
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この記事は大竹財団発行の英文ニュースレターHUMANにも掲載されています。
1、市民エネルギー研究所、放射能濃度測定器購入の経緯
2011年3月11日に起きた福島原発事故は、未曾有の放射能汚染をもたらしが、その実態はいまだに明らかになっていない。東京電力も国もなかなかその実態を発表しなかったので、放射能で汚染された環境の中で、人々は何が本当なのか、発表されたデータはどこまで信頼できるのかと不安になった。
特に放射能汚染食品等に関しては、事故当時、暫定基準値(500ベクレル/�) が決められたが、たびたびこの基準を超える食品が報告された。2012年4月1日からは新たな基準値(100ベクレル/�・セシウム)が施行された。
それを機に、同年5月、当研究所のメンバーには、「第一種 放射線取り扱い主任技術者」の資格を有する専門家がいるので、当研究所も放射能濃度測定器の購入をした。
原発事故後、市民による放射能測定所が多く設立されたが、新基準への対応とともに、市民による放射能測定所の技術を向上させ、検査態勢や検査精度を上げていく一助になれるよう願っている。
2、測定したもの
食品の放射能汚染の測定、環境の放射能汚染の測定を通して、食べ物に関しては、第一番に子ども(特に12歳以下)の安全を守るために出来得る限り正確に測ることを努めた。
また、環境に関しては山・畑・川・住宅地や公共地・側溝等また海への出口がどれだけ汚染されているのか、精度の高いデータを求め、そこで暮らしている人、また、働いている人の安全を守る一助にする。
樹木・きのこ・山菜等の汚染を、畑や田んぼは、農作物の汚染状況や土壌汚染を、住宅地等は人が住んでいる生活環境を、側溝はヘドロ等、その他廃棄物や処理された灰等の測定をしてきた。
3、測定装置と測定結果について
微量放射能測定装置 FNF-401 (応用光研工業株式会社OKEN製)
NaI(Tl)シンチレーション検出器 Φ 3インチ×3インチ
遮蔽 鉛5cm
測定時間20000秒(5時間半強が基本)
パルスハイト・アナライザー(pulse height analyzer,PHA)を使ってスペクトルを解析している。
検出結果、Cs134とCs137の比率が合わない時は、当研究所で、測定時の比率を算出して再計算をしている。
測定は安藤多恵子と大東断が行い、小泉好延が補佐している。
測定結果報告−その1
上の表を拡大する (2013/06/07 表を修正)
図 枯れ草の放射能濃度測定時のスペクトル(20000秒)
ドイツの原子炉がある場所の周辺では子ども(幼児)が白血病にかかる率が高い。マインツ大学の研究者は、原子炉の5km 以内の周辺で37人の子どもが白血病にかかっている事実をつきとめた。この調査は1980年〜2003年の間にされたが、この間の他の地域での平均は17人であるから20人多い。その研究者は「私たちの調査研究では、ドイツで、原発の近くに住んでいれば5才以下の子どもがガンまたは、白血病にかかる可能性が高くなっていることが確認された」と言っている。 続きを読む...
 想定を超えたのではなく、あまりに想定が低かった
大きな事故や災害が起こると、責任者たちは決まったように「想定を超えた」とか、「計画当時の知見では予見できないことであった」などといって、本来負うべき責任を回避する。たしかに稀にはそういうこともあるかもしれないが、ほとんどの場合は予見しえたはずなのに、コストの削減や納期の重視、ときには個人の名誉欲や企業や集団の欲望達成のために、マイナス面を過小評価ないしは無視するのである。  続きを読む...